8月、宮崎市でひとり暮らしをしている86歳の伯母が家の中の段差につまずき、大腿骨を骨折した。本人は骨折とは気づかなかったが、痛みで動けないため、近くに住む私の妹に電話で戸締りに来るよう依頼、かけつけた妹が驚いて救急車を呼び、手術、入院となった。一昨年の8月、伯父の三回忌でホテルに泊まったとき、市内に実家があるはずの高校の同窓生も家族連れで宿泊していた。「実家に泊まれると思って帰省した が、ふだん空き家なので殺虫剤を焚いても焚いても虫が出て眠れない。あきらめてホテルにした」とのこと。彼の実家はかつての新設校である母校近くのオール ドニュータウン。そこでも空き家、空き地の増加は問題で、今もそこに住む別の同窓生は、家の前の空き地の草刈りが大変だと嘆いていた。この8月は熱中症で亡くなるひとり暮らしのお年寄りのニュースが続く。ひとり暮らしの家が舞台の「ばあちゃんち」(20ページ)、かつての新興住宅地の家 を生かした「うちの実家」(14ページ)の原稿を読むと、こんな取り組みがもっと世の中に広がってほしいと思う。[甲斐]

戸別所得補償制度の「新規需要米」として10アール当たり8万円の交付金が出ることも後押しして、米粉用米の生産が伸びている。米「粉」ばかりではない。岩手の製パン会社はごはんを小麦生地に練り込む「ごはんパ ン」を開発したし(76ページ)、三洋電機は米粒からパンが焼けるホームベーカリーGOPANを発売する(104ページ)。米粉用米ではないが、「ごはん パン」やGOPANで使う米も新規需要米として扱われる可能性がある(60ページ)。
「ご はんパン」もGOPANも農家が知恵を出して、地域の食文化に取り入れていけばおもしろい。「米はごはんとして食べたらいい」というのは簡単だが、そうい ううちに米の消費量は減っていく。柔軟な発想が新しい商品や機械を生み、そこからまた新しい発想が生まれる。[阿部]

飼料イ ネ(64ページ)の木村農芸。冷蔵庫にはイノシシの肉がゴロリ。30年ほど前から獣害がひどく、親子ともども狩猟免許をもっている。昭和50年代、下磯尾 集落では木村農芸が中心となり、甲南町で最初に6㎞もの防護柵を張った。田を委託するお年寄りは、木村農芸の負担軽減にと自分でも草刈りをする。「だか ら、やれてる」と木村さん。[馬場]

「うちの実家」(14ページ)の運営費づくりで大きいのが、秋のバザー。昨年は近所の南中野山小学校との交流がきっかけとなり、保護者からの寄付品もふえた。当日は130人が参加、売上げは33万円に。「ここは、人と社会がつながることで、生涯現役の場になっている」と代表の河田珪子さん。自立・継続した〈居場所づくり〉に期待がふくらむ。[蜂屋]

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